「脂質制限」とは1gあたりのカロリーが高い脂質を制限する事で、摂取カロリーを抑えるというダイエット方法です。

食事内容としては、食品の中で低脂質な部位を利用したり、揚げ物などの油っこいものを控えるようにします。
また、マヨネーズや調理油なんかの使い過ぎにも注意が必要です。

”制限”とは付きますが、ゼロにしたり不健康になるレベルで抑えたりするわけではありません。
あくまでも人間の体に必要な適正値に近づけていくイメージです。

それではここからやり方やメリット・デメリット、どんな人に向いているのかなど解説していきます。

脂質制限とは？〜浅草のパーソナルジムN-fitness〜

脂質制限はこんな人に向いてます

脂質制限はこんな人に向いています。
是非参考にしてみてください。

・炭水化物が大好きな人

炭水化物が大好きな人が、糖質制限をするのはほぼ継続不可能です。
必然的に脂質制限を選択することになるでしょう。

・筋肉を維持したまま痩せたい人

どうしても糖質制限は筋肉の維持が難しいダイエット方法になります。
ですので、筋肉をなるべく維持しつつ痩せたい人には脂質制限が向いています。

糖質制限についての解説は別の記事で行っているのでこちらをご覧ください。

【完全版・カロリー制限との違い】糖質制限のやり方・注意点〜台東区上野・浅草パーソナルジムN-fitness〜

・脂質を大量に摂取している人

今現在、脂質を大量に摂取している方は、摂り過ぎている分効果を速く実感することが可能。
脂質の摂りすぎを改善することは健康上も良いことなので、脂質を摂りすぎているなぁと実感のある方は是非挑戦してみてください。

・できるだけお金をかけたくない人

糖質制限はお米やパンなどの主食類を抑えて、おかず類を増やしていきます。
ですので、食費がかさむケースが多々あります。

その反面、脂質制限はなるべく揚げ物や脂っこいものを抑えて主食類はしっかりと食べるので、食費がかさみにくいです。

栄養面だけでなく、ご自身の生活スタイルや経済的事情も考慮した選択ができると良いですね。

 

脂質制限のメリット

脂質制限の代表的なメリットを4つご紹介します。

・摂取カロリーがコントロールしやすい

三大栄養素の糖質・脂質・タンパク質は私たちの体のエネルギー源として一定のカロリーが存在します。
そんな中、脂質は糖質・たんぱく質1gあたりのカロリーが倍以上あります。

下記が三大栄養素の1gあたりに含まれるカロリーです。

・炭水化物：1g＝約4kcal
・脂質：1g＝約9kcal
・タンパク質：1g＝約4kcal

脂質だけが異常に高いですよね。
脂質制限では、1gあたりのカロリーが高い脂質を抑えるわけなので、自然と摂取カロリーは落ちます。

その為、脂質制限はカロリーをコントロールしやすいダイエット方法と言えます。

【エネルギー源】三大栄養素解説〜台東区上野・浅草パーソナルジムN-fitness〜

・炭水化物を食べられるので満足度が高い

炭水化物を口にすると、血糖値が上がりそれを下げるためにインスリンというホルモンが分泌します。
その過程によって、脳の満足度も上がります。

炭水化物は主食に含まれている事が多い為、自然と食べているという感覚が持てます。

精神衛生的にも好ましいかも知れません。

・エネルギー不足になりにくい

炭水化物を摂取すると、肝臓と筋肉にグリコーゲンという形で貯蔵されます。
人間はこのグリコーゲンを主要なエネルギー源としている為、炭水化物をしっかり食べられる脂質制限はエネルギー不足になりにくいです。

・筋肉が落ちにくい

先ほども出てきたグリコーゲンですが、不足してしまうとアミノ酸を糖に変換してグリコーゲンを作り出す「糖新生」という機能を働かせます。
この時に使用するアミノ酸は、筋肉を分解して作り出すので筋肉が落ちます。

糖質制限ではこのような糖新生が活発に行われますが、脂質制限では炭水化物をしっかり摂取するのでグリコーゲンが不足しにくく、糖新生の頻度を少なくすることができます。

※糖新生については別途解説いたします。

脂質制限のデメリット

続いて、脂質制限の代表的なデメリットを4つご紹介します。

・外食しづらい

外食をするとどうしても脂質が多くなります。
ですので、脂質制限時の制約を忠実に守ろうとすると、かなり選択肢の幅が狭くなります。

ですが、これは糖質制限でも言えることではあるのでそこまでマイナスに考えることはないでしょう。

・調理法や調味料に制限がある

脂質制限の場合、調理時に使用するものの脂質も気にしなくてはいけません。

揚げ物や炒め物だとどうしても脂質が多くなる為、揚げ物や炒め物を食べる機会の多い方にとっては、制約が厳しいものとなるかもしれません。

・体重が落ちるまでに多少時間がかかる

脂質制限は糖質制限に比べると、体重が落ちるまでに時間がかかります。
ですが、糖質制限では最初に水分が抜けることで体重の変化が起こるだけですので、脂肪が落ちるスピードは変わりません。

・ホルモンバランスが崩れるリスクがある

脂質はホルモンの材料になりますので、制限しすぎるとホルモンバランスを崩す恐れがあります。
女性の場合は生理が止まるなどのリスクもあるので、制限のしすぎには注意してください。

脂質量の目安については、後述してまいります。

糖質制限と脂質制限の比較

糖質制限と脂質制限の違いを簡単にまとめましたので、参考にしてください。

	糖質制限	脂質制限
制限するもの	ご飯、パンなど炭水化物等	脂っこいもの全般
食べる量	そこまで減らさなくても良い	ある程度制限する必要がある
調理法	とくに制限はなし ※ケチャップなどには注意	揚げ物、炒め物は控えた方が良い
痩せやすさ※	短期間でストンと痩せる	比較的じっくり痩せる
起こりうるデメリット	頭痛、便秘等	ホルモンバランスの乱れ等

※個人差があります。

メリットとデメリットは必ず存在します。
ご自身の生活スタイルに応じて、適切な方法を選択することが大事です。

脂質制限のやり方

ここから具体的な脂質制限のやり方をご紹介していきます。

・脂質の少ない食品

穀類：米、小麦粉、トウモロコシなど
いも類：じゃがいも、さつまいも
野菜：かぼちゃ、レンコン
果物：メロン、みかん、りんごなど（アボカドは例外）
その他：栗など

・脂質の多い食品

肉類：豚バラ、鶏肉の皮、牛サーロインなど
魚介類：サバ、サンマ、マグロの大トロ・中トロなど
油脂類：ナッツ、オリーブなど
乳製品：生クリーム、牛乳、チーズ

上記食材が例となります。
糖質制限の方が明確に食べてはいけないものが規定しやすいですが、脂質に関しても成分表の確認を行って、出来るだけ低脂質な食材を選択する事が肝心です。

脂質制限中の三大栄養素の割合

三大栄養素の割合を話す際に『PFCバランス』という言葉が出てきます。

PFCバランスを簡単に説明すると、食事による三大栄養素「タンパク質（Protein）、脂質（Fat）、炭水化物（Carbohydrate）」の摂取カロリーがそれぞれ摂取カロリー量の何％に当たるかを示したものです。
食事制限をする際に、このPFCバランスの数値を参考に摂取していきます。

・通常時のPFCバランス

下記が厚生労働省の定める普段の食事の割合です。

P：１５～２０％
F：２０～３０％
C：５０～６５％

・脂質制限時のPFCバランス

脂質制限をする際は、どのくらいのPFCバランスにすると良いのか？についてお伝えしていきます。
脂質制限では以下のような、PFCバランスで食事をしていきます。

ポイントは、脂質の摂取割合を１０〜２０％に設定することです。

 

例えば、１日の目標摂取カロリーを2000kcalとすると、脂質からの摂取カロリーは200kcal〜400kcalとなります。

脂質は1g=9kcalなので、22g〜44gが1日に摂れる脂質の摂取量の目安となります。

 

卵1個の脂質量が約5~6gなので、4個~8個食べられるイメージです。

1日3食食べる人であれば、これを3で割って頂くと1食で摂取できる脂質量が分かります。
ただ、一般的なダイエットで脂質の減らしすぎは危険ですので、1日40g程度は摂れると良いでしょう。

ダイエットの基本を知りたい人は下記を合わせてお読みくださいませ⬇︎⬇︎⬇︎
【ダイエット初心者】ダイエット中の運動と食事の効果的な方法を簡単解説〜台東区上野・浅草パーソナルジムN-fitness〜

PFCバランスに関しても別記事で解説しております！
【３大栄養素／ダイエット】理想のPFCバランスとは？〜台東区上野・浅草パーソナルジムN-fitness〜

 

まとめ

いかがでしたでしょうか？

制限という言葉を聞くと、よりシビアに過激に追い込んだ食事をイメージするかと思います。
しかし、まずはご自身の生活スタイルに沿った内容で食事の改善を試みるのが、ストレスや、日常生活のパフォーマンスを顧みた時にベストな選択となります。